組織社会学 テスト対策ノート

■組織とは?
私たちが普段考えている「組織」とは、人的要素、物的要素、社会的要素である。だが一歩踏み込んで、テイラーの科学的管理法、ファヨールの管理過程論、ヴェーバーの官僚制論に見られるように、「組織」とは、それらの要素を結合する人と切り離した抽象的メカニズムとしての組織である。それによって組織を科学する事ができる

■近代の組織
では、その対象となる近代の組織はどのような背景によって登場してきたのであろう?近代的組織登場の背景は、分化した機能領域に特化した、明確な目的にもとづいて運営される組織が必要になった事。また、産業化によってモノを大量に効率的に生産する安定した巨大組織が必要になったことである。
産業社会化それに付随する大衆化、消費社会化は、人々に身分的支配からの解放、個人の原子化、私生活主義をもたらす。一方で組織は形式合理性に経済的利益や生産性の効率を追求するようになる。
人々は、自らの報酬のために自由意志にもとづいて組織に自ら加入し、抽象的な制定規則による合理的支配に従う。近代の官僚制組織では、権力を行使する人の恣意性、主観性は排除され、対等な命令/服従の関係がある。そういった組織原理のなかでは個人的行為/組織的行為は分離され、結果から免責された個人による命令の服従により効率的に行為が遂行される。また、自由意志を持った個人のメンバーシップ規則の引き受けることは、メンバーシップ役割の形成と役割の逸脱しないことの予期につながる。これは合意の節約といわれる。
このように20世紀の組織は、行為を抽象化・非人格化することで、効率的に大量のモノを生産させるものとして形成された。

■21世紀の組織
成熟した消費社会、情報社会、、その組織自体の差異を創出する組織が求められるようになってきている。
チェスター・バーナードは、1930年代に個人の意味創造に注目した先進的な組織論を著わした。彼は全人仮説に立ち。人々はある動機を満足させるため恊働関係に入り、それらの人々は恊働システムの「有効性」によって目標を効率的に達成し、「能率」により欲求充足の度合いを高めるとした。彼は、恊働システムによる意味創造と全個統合の働きと意義を見出した。
21世紀に求められている新たな組織は、ポスト産業資本主義化の中で、知識・創造の価値、魅力的な商品=情報を意識的に生み出す組織である。例えば、環境に対する情報処理システムとしての組織、全課程の意思決定を小規模の自律チームが行う組織、階層性や専門分化をなくした組織である。また、ネットワーク形成やフォーラムの活用による柔軟な組織構造による意味の創造も模索されている。

■まとめ
実社会では、人々は結局、物質的な「組織」にとらわれていると思う。ネクタイをして、毎日、決まった時刻に席へ着く。物質的・空間的囲い込み。組織が我々のライフスタイルを規定。

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