『連想式にみるみる身につく 語源で英単語』清水建二、ウィリアム・ジョセフ・カリー(学研)

『連想式にみるみる身につく 語源で英単語』清水建二、William Currie(学研、2008年1月)
語根の理解よって発展的に英単語を理解!!
英単語を構成するパーツの語源を理解することで単語の記憶と未知語の意味の予測を目指す教材。
全体の構成は、基本のword partsごとに100のチャプターに分かれます。20チャプターごとに語源で腕試しとして練習問題があります。
本文のチャプターは見開き2ページでひとつのword partsを取り上げます。まず左ページでは、そのページで取り上げる一つあるいは複数のword partsとその意味が提示されます。左ページの上半部は、そのword partsが含まれる単語の意味をイラストで表現して、「Back to Roots」のコーナーでは、語源のword partsを覚えるキッカケになるカタカナ語や基本的な英単語を紹介します。下半部「訳語を考えよう!」では、3問のクイズ形式で、word partsの組み合わせられた単語とそれを使った例文とその単語の部分が空欄になった日本語訳、単語の意味のヒントによって単語の意味を推測します。右ページでは、word partsを用いた6つの単語と発音記号と名詞形などの派生形、それらの品詞と意味が書かれます。それぞれの単語には「語根de連想」として語根を分解した意味の簡単な解説と、単語を用いた例文と日本語訳が掲載されています。
CD一枚付きで、ネイティヴ・スピーカーの女性によるナレーションが収録されています。内容は、各本文のチャプターのメインになるword partsの意味が日本人の女性によって読まれて、ネイティヴの女性によって、右ページの単語と派生語が次々に読まれていきます。発音は流暢なアメリカン・イングリッシュです。
「語源の解説」というよりは、語根を覚えて意味を連想していくための感覚を養う教材です。
ただ知識として語根や語源を知るだけではなく、実践的具体的にイメージが湧いて、それによって単語・応用的な単語が理解できるように工夫されています。結構、面白く読める本です。また、office=仕事を「する」場所、official=「作られた」、finance=「終わる+名詞」→「清算すること」のように言葉のもとの意味、原義にも触れることができます。
イラストは、語根の意味やイメージを解りやすく表現しているものもあれば、適当に書かれたよくわからないものもあります。
CDが、本を読んだ後にそらで聴いて単語の意味を予測するくらいにしか使えないのが残念です。
”英単語の暗記”から脱却したい方、既存の単語集ではヴォキャブラリーが増えなかった方、違った感覚で英語の勉強をやり直したい方にオススメです。中学生や高校生が読んでも役に立つと思います。
Goodbye!! Cheers!!

『CDエクスプレス 英(イギリス)語』早川嘉春、ジョン・スネリング(白水社)

『CDエクスプレス 英(イギリス)語』早川嘉春、ジョン・スネリング(白水社、2004年4月)
ブリティッシュ・イングリッシュによる一般的な英語テキスト!!
ブリティッシュ・イングリッシュで書かれた普通の学校のテキスト形式のダイアログと文法の解説を中心とする英語参考書です。
全体は20のチャプターに分かれます。
4ページがひとつのチャプターになります。1ページ目はダイアログが載っています。2ページ目は、上部に「単語」として熟語を含めたヴォキャブラリーが掲載されていて、下部にダイアログの翻訳が載っています。3~4ページは「解説」になります。まず「文法的要素」としてダイアログに関連する文法と語法を解説します。「表現」では、ダイアログの内容やテーマに関連する表現を紹介します。「バリエーション」では、ダイアログに出てきた表現のシチュエーションによる様々な表現の仕方(丁寧な表現、率直な表現など)を紹介します。3~4ページでは、表現がアメリカン・イングリッシュと違う場合は解説がされています。2つのチャプターごとに2ページの練習問題があります。
CD一枚付きで、ブリティッシュ・イングリッシュの男女のネイティブ・スピーカーによるダイアログと「単語」、「練習問題」のナレーションが収録されています。発音は端正なブリティッシュ・イングリッシュ(クイーンズ・イングリッシュ?)です。
英語のレヴェルは中学卒業程度です。
ブリティッシュ・イングリッシュのテキスト形式の普通の総合的な英語参考書の類書はないと思います。
ブリティッシュ・イングリッシュで英語を学び直したい方にオススメです。
Goodbye!! Cheers!!

『イギリス英語でとっさのひとこと』Cafeglobe.com、サマンサ・リーレンス(語研)

『イギリス英語でとっさのひとこと』Cafeglobe.com、サマンサ・リーレンス(語研、2003年8月)
リアルな今のイギリスの日常会話フレーズを収録!!
全体の構成は「じつは私……」「話があるんだけど……」「まさか……、納得……」「頑張ろうね、頑張ってね……」「うれしいな、よかったな……」「まいったな……、助けて……」「ああ腹が立つ、うんざり……」「困った人……」の各パートにわかれます。パートに分かれている意味がよくわかりません。でも、例えば「ああ腹が立つ、うんざり……」なら怒りや困惑に関連する表現が収録されている気がしますが、他のパートは……。
本文のページの構成は、1ページでひとつの表現を取り上げています。まず、メインのフレーズと日本語訳が紹介されます。その下には、フレーズを用いた2文から8文のダイアローグと日本語訳があります。次にフレーズの意味や使い方、シチュエーションなどに関する解説があります。ページ下部には、「こんな表現もつかえます」として、同じ意味の表現、関する表現、同じシチュエーションで用いる表現が紹介されます。ほとんどの右ページの解説と「こんな表現もつかえます」の間に「いまどきのロンドン」として、イギリスの現在の生活や若者文化に関するコラムがあります。
CD1枚つきで、ブリティッシュ・イングリシュのネイティブの複数の男性・女性によるナレーションが収録されています。発音は普通の(クイーンズ・イングリッシュやBBCイングリッシュではない)ブリティッシュ・イングリッシュだと思います。聴きやすいですが、発音がやや教材的で物足りない感じもあります。
「とっさのひとこと」というタイトルから旅行の英会話を思い浮かべるかもしれませんが、内容は若者の日常会話です。フレーズやダイアログの文は短くほとんど「ひとこと」という感じです。現在のロンドンの20~30代の若者が使っているリアルな口語が収録されています。スラングではないがジョークをメタファーや含んだようなラフな表現や会話が収録されています。日本では類書がなく、この本でしか読むことができないないようだと思います。ダイアログの内容自体は短いのでイギリス文化を取り上げている感じはありません。
コラムがおもしろく、これだけでも読む価値があります。普通のブリティッシュ・イングリッシュを聴ける貴重な教材でもあります。
ブリティッシュ・イングリッシュが好きな人、イギリスの文化やポップ・カルチャー関心がある方に、日常的な英会話のフレーズを学びたい人にオススメです。
Goodbye!! Cheers!!