『似ている英単語 形容詞・副詞 使い分けBOOK』William Joseph Currie、清水建二(ベレ出版、2004年7月)
類義の意味やイメージの差異を理解してより豊かな英語理解へ!!
ネイティヴが感じている形容詞や副詞の類義語の意味やニュアンス、イメージを丁寧に解説。
全体は「形容詞 初級・中級編」「副詞」「形容詞 上級編」のパートに分かれます。その中で「大きい」「美しい」「もう、まだ」「最近」「適切な、適当な」のような日本語での大まかな言葉ごとのチャプターに分かれていて、チャプターには多いもので8個の英単語が収録されています。
本文の構成は、まず最初に「Let’s try!」として5問ほどの取り上げる単語の差異を確認する選択問題があります。それから各単語とその意味の解説がイラストを用いながら順次掲載され、各単語の終わりには例文が2つ書かれています。
主体から対象を見た時の各単語の意味、各単語の意味の差異が解説の中心になります。また、distantを「「遠洋航海」のように、簡単に到達できないことを暗示させる語」、farawayを「距離や時間が遠くあることで、特に異国情緒のある絵に描いたような場所を暗示させる語」というように具体的な事象を取り上げて単語の持つイメージや意味を説明してる点がこの本の特色です。また、ブリティッシュ・イングリッシュ/アメリカン・イングリッシュでの意味の違いやどちらでよく用いられる表現か、ということも頻繁に解説されます。
副詞のパートではどういう時制のときに用いられるか、肯定文/否定文でどういった意味になるか、という点が解説される点が特徴です。
類書とは違ってあまり使われない難易度の高い表現も収録されている点もこの本のストロング・ポイントです。
解説自体は難しくはないですが、そもそも単語を知っていてある程度全体的な英語力がないと読んでもあまり意味は無いので、英語中級者の方が対象になります。
より豊かな英語表現や英語理解を目指している方にオススメです。
Goodbye!! See you again!!
『NHK新感覚☆キーワードで英会話 イメージでわかる単語帳』田中茂範、佐藤芳明、河原清志(日本放送出版協会)
『NHK新感覚☆キーワードで英会話 イメージでわかる単語帳』田中茂範、佐藤芳明、河原清志(日本放送出版協会、2007年3月)
認知意味論の知見を用いて丁寧に書かれた書かれた、イメージで英語を理解する解説書!!
全体は「基本動詞編」「似たもの動詞編」「前置詞編(副詞含む)」「形容詞編」「名詞・文法項目編」「動詞+副詞編」のパートに分かれ、そこにいくつもの単語やフレーズが収録されています。本文のページの構成は、2ページでひとつの単語あるいはフレーズが取り上げられます。左ページでまず単語と単語とイメージのイラストが提示され、下部に全体的・一般的な簡単な解説の後、具体的・詳細な説明がされます。右ページは、4つに分解され、それぞれそのチャプターの単語を用いた表現の文とイラストと説明が4つ掲載されています。
この本は、いわゆる一般的な暗記のための「単語集・単語帳」ではないです。
この本では、例えば、takeをただ「持つ」ではなく、意味のコアとそのイメージを理解することで「take a walk」「take a picture」というように形の無いものを目的語にとったり、「take me to the moon」という表現が可能になるのか、という解説をします。複数のコアが解説されていて、ひとつの単語を多義的に使ったり、多義的な意味を読み取る方法がわかるチャプターもあります。言葉の感覚や対象の説明が丁寧にされている感じがあります。英語の「意味の空間のあり方」が理解できます。
動詞・前置詞だけではなく、同意語の動詞の差異、形容詞、名詞、助動詞、冠詞、動詞+副詞のイディオムについて解説されているのが本書の特徴です。動詞や前置詞のイメージでの理解はイディオムの習得にもメリットがあります。
認知意味論が専門の著者によって書かれているので、主体と対象、コミュニケーションの視点、意味の空間のあり方の力学が、丁寧にわかりやく詳しく、研究の成果を用いてクオリティの高い内容で書かれている点が類書とは異なります。イラストも内容を正確に把握していてわかりやすいです。
ネイティヴ感覚で英語で考えることを目指すための本です。
950円と価格に対するコストパフォーマンスは非常に高いです。
基本的な英語力があって、コミュニケーション能力や理解力や読解力を高めたい人にオススメです。
Goodbye!! See you again!!
『TOEIC Test 一日一分レッスン 英単語、これだけ』中村澄子(祥伝社黄金文庫)
『TOEIC Test 一日一分レッスン 英単語、これだけ』中村澄子(祥伝社黄金文庫、2006年9月)
TOEICの得点アップのための中級の必須ヴォキャブラリーを収録!!
330語収録のTOEICのための単語集。
全体は5つの章に分かれていて、それぞれTOEICのパートに対応した頻出単語を収録しています。
本文のページ構成は、右ページに上下半分づつ問題が収録されています。問題では、英単語が提示され三択で適切な日本語訳を選びます。左ページには、同様に上下半分づつ解答と解説が掲載されています。答えと英単語と発音記号、品詞の種類と意味がまず提示され、そのしたに解説、例文、関連するヴォキャブラリーが書かれています。ページをめくるごとに2問の答えがわかるようになっています。
筆者による近年のTOEICテストで頻出する傾向にあるビジネス関係のヴォキャブラリーを集めたそうですが、個人的にはそういう印象はありませんでした。収録されている単語は、単語それ自体がビジネス用語というより、基本的な単語だけどビジネスの場面で使われたり発展的な意味でビジネス用語で使われたりするという印象でした。
解説は、「日常でもビジネスでも使われる」「TOEICのどのパートに出ていた」「どういう風に出題された」というものが中心で、「単語の解説やレクチャー」にはなっていません。解説といっても「その単語に関連する違う品詞での表現」や「その単語のいくつかの意味」の解説がたまにある程度です。
単語のセレクトは見事で、英語中級者が必要だけど覚えきれないヴォキャブラリーを上手く選択しています。
初歩的なヴォキャブラリーは習得しているけど中級のヴォキャブラリーを覚えきれない方に、読めば必ずプラスにはなる本なので、一度読まれることをオススメします。TOEIC受験以外でも役に立つ一冊です。
Goodbye!! See you again!!