『高校英語を5日間でやり直す本』小池直己 佐藤誠司(PHP文庫)

『高校英語を5日間でやり直す本』小池直己 佐藤誠司(PHP文庫、2006年9月)
『中学英語をやり直す本』『中学英語をやり直す本<パワーアップ編>』の続編です。
2ページでひとつのTipsが100個収録されています。20項目を5日でマスターする想定になっています。
「高校英語を5日間で」といっても受験英語がマスターできるわけではなく、日常的なコミュニケーションを意識してそれに役立つ要素を習得することを目的にしています。
文法を基礎から説明するのではなく、構文や品詞の役割を取り上げて、意味の理解や実際での使用を重視して説明します。
例えば、「I prefer my coffee black.」と「I prefer black coffee.」といったように表現によるニュアンスの違いや完了進行形、過去完了形、未来完了形の意味や機能が詳しくわかりやすく解説されます。
基本的な文法事項は説明していないやや高度な内容の一冊です。英語の表現力・理解力を高めたい、TOEIC対策での文法の知識の補完など、英語の能力をアップグレードされたい方にオススメです。
Goodbye!!
Cheers!!

『魔法の発音!!ハイディの法則77』ハイディ矢野(講談社)

『魔法の発音!!ハイディの法則77』ハイディ矢野(講談社、2000年9月)
思い切ってカタカナ英語でネイティヴ発音!!
70の発音の法則が、各2ページ、左ページにミニダイアローグとポイント解説、右ページにフォローアップ・ダイアログという形で収録されています。
リエゾン、特に「t」や「d」のラ行への音の変化、そして音の省略を重視して、実践的な通じる英語を、個々の発音記号の練習をするのではなく、難度も例文を発音することで身につける教材です。発音については、発音記号は一切書かれていなくて、カタカナで書かれています。例えば、「But I」→「バライ」、「How about a」→「ハバラ」、「that」→「ダッt」「an apple」→「アナーポー」という感じです。
ある意味では最も最短距離で通じる英語を習得できる教材です。
リスニングや英語の深い理解のために体系的に発音を身につけるための教材ではなく、海外旅行等での会話のための実践的な通じる発音やフレーズをとにかく反復練習で覚えてしまうための参考書です。
また、この本の中心コンセプトになっているラ行に変化するリエゾンですが、「t」を強く発音するブリティッシュ・イングリッシュには適用できないと思います。
付属CDの発音もアメリカ英語で、流暢でカッコいいややラフなアメリカン・イングリッシュらしい英語を話したい方にオススメです。
Goodbye!!
Cheers!!

『中学で英語ぎらいになった人のための日本一やさしい英文法』長沢寿夫 明日香出版社

『中学で英語ぎらいになった人のための日本一やさしい英文法』長沢寿夫(明日香出版社、2000年4月)
英文法を基礎の基礎から簡単な作文まで手とり足とり解説!!
全体は文法のルールを学ぶ「基礎編」とその知識を文章を書くことで応用する「応用編」に分かれます。
基礎編は名詞、代名詞、be動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞の18のLessonで構成され、応用編は日本語と英文の構文の変換、疑問文、否定文、時制、動名詞、疑問詞の13のLessonで構成されます。
ひとつのLessonは各6ページで、1ページ目で文法の語句や例文の提示、2~4ページ目が解説、5ページ目がドリル、6ページがその答えという構成になっています。
カタカナで読み方を表記していますが、独特の表記法で、lとr、aiなどを工夫して表現しています。
受験英語的なルールを覚えて機械的に問題に答えるための英文法ではなく、意味や英語の発想を重視した実践的な表現のための英文法です。英語の基礎だが初心者が覚えきることの難しい、aとtheの違いや単数形と複数形、可算名詞と非可算名詞などの発想の違い、副詞や形容詞とは何か、といったことから表現を想定して平易な言葉でかなり簡潔で必要最小限かつ丁寧に説明します。「日本一やさしい」というのは本当かもしれません。ただし、図を使った説明や例えば現在完了形の詳細な解説や多様な例文、英語の文化的な背景の説明などは一切ありません。だからこそ、本当にやさしいので、挫折せずに難度も読み通して内容を習得できます。
基礎編のドリルは日本語の例文があって穴埋めをするかたちで、全くひねりがなくかなり簡単ですが、基礎を徹底的に学ぶには有効だと思います。
「場所をあらわす前置詞at、in、on」の使い方の解説や「動詞や前置詞はグループにならないが、他の品詞はグループで考える」という記述が個人的には参考になりました。
応用編の日本語と英語の文法構造を解体したり、対等にある要素を比較しながらのかなり丁寧な英作文の解説は、英語での書く・話すと表現が苦手な方や英語から長く離れていた方にとって必読です。
基礎から手取り足取りといった感じで英文法が学べますが、「知識の連関はあいまいだが一応英文法の全体を学んだことがある」ということが前提にされている感じで英文法の復習を想定して記述された参考書です。ですが、中学で英語を全く学ばない方はいないので、すべての英語の基礎をしっかり確認・復習されたい方にオススメです。
Cheers!!