『英単語・熟語ダイアローグ1200』秋葉利治・森秀夫(旺文社、2005年9月)
短い対話文でヴォキャブラリーとリスニングを強化!!
全体はウォーミングアップ、強化編、実践編の3つのstageで構成されています。3段階のレヴェルで会話が長くなって難しいヴォキャブラリーになっていきます。
見開き2ページでひとつのトピックになっていて、左ページにそのトピックに関する対話分が3つとTips、右ページに単語やイディオムが6~9個ほど紹介されています。171のトピックと1203のヴォキャブラリーが収録されています。
CDさん枚付で1枚目は、stage1がスロー・スピード、ナチュラル・スピードで収録されています。2枚目、3枚目はそれぞれstage2、3がナチュラルスピードで収録されています。
短い日常会話の対話文によってヴォキャブラリーを増やすための教材です。会話のテーマは日本の住宅事情やダイエット、ヤミ鍋から人口爆発、エネルギー危機、大英博物館、恥の意識/罪の意識というように様々なものが満載されています。会話の内容はアメリカと日本の文化や価値観の違いについてのものが多く面白いものもありますが、会話の表現がナチュラルではなかったり、会話の内容や対話に無理があるものもあります。
ダイアローグには6人のキャラクターが登場します。発音に関しては、特に男性3人の発音はアメリカン・イングリッシュとして問題ないと思います。女性のうちひとりはイギリス人でブリティッシュ・イングリッシュを話します。
ナチュラルスピードの会話文を理解するには、発音をある程度理解していたり、ヴォキャブラリーをある程度は持っていないと難しいと思います。初心者には難しいと思います。
発音や文法の基礎を勉強して、『Duo3.0』をやって、さらに英語力をアップしたりヴォキャブラリーをのばしたい方、TOEIC初級レヴェルの対策にオススメです。コスト・パフォーマンスも高いです。
日常会話の入門書にもなると思います。
Cheers!!
『英語耳 発音ができると英語ができる』松沢喜好(アスキー)
『英語耳 発音ができると英語ができる』松沢喜好(アスキー、2004年10月)
英語を学び直すために最初に手にとるべき良書!!
中学や高校で刷り込まれるあるいはしかなたなく覚えてしまうカタカナ英語を捨てて、発音記号を正確に読めるようになって、リスニングからリーディングまですべての英語の能力の根幹になる発音を基礎から学んで練習するための参考書です。
第1章は、発音の重要性や日本人の英語の発音に対する理解の問題、英語習得までの全体的な学習方法の方針の提案などについて述べる。
第2章は、無声音、特に日本人には難しい「s」「sh」「t」の発音に重点を置いた子音の発音バイエルです。
第3章は、日本人には区別して発音することが難しい3つの「ア」の音に重点を置いた二重母音も含めた母音の発音バイエルです。
第4章は、英語発音最大の難関である「r」の発音が、巻き舌ではなく現地で実際に使われている舌を引く方法で丁寧に解説されています。
第5章は、リエゾンや曖昧母音、語尾「t」の「r」へのリエゾンによる変化などの音声変化の発音バイエルです。
第6章は、歌や文章を実際に発音することによって発音を習得する”Parrot’s Law”を紹介しています。
第7章は、発音を含めた英語力のアップ方法としてペーパーバックの読書の薦め、そして、英語力完成までの英語勉強法を簡単に提案します。
といった構成にになっていて、やはりこの本で素晴らしいのは2~4章の「発音バイエル」の部分です。発音バイエルでは、口蓋の断面図つきで、空気の出し方や舌や歯の動かし方、発音をする時の意識やコツを含めて発音記号ひとつひとつの発音が丁寧に解説されています。類似した発音を比較できる様に単語が巧く配置されていることも優れています。
CDは、ナレーションに程度な間隔があり使いやすいです。ナレーションをしている女性の発音は特別に綺麗な発音ではないので逆に学習する際には有効だと思います。
外国語を勉強する際、発音は決定的に重要です。
しっかり発音ができて、思考する時や本を読む時に自分の頭の中に自分の声で正しい英語の発音がなっていることが、単語を音も含めて身につけ、リーディングや読書も効果的に進み、当然リスニングにも会話にも役に立ちます。
外国語の発音を習得するためには、日本の発音の発想や方法を一度、捨て去ってしまうべきだと思います。大げさに云ってしまうと、英語は日本語と全く発音の原理が全く違っていて、同じ音はひとつもないと考えるべきだと思います。英語はカタカナになった時点で日本語になります。
英語の発音の参考書で最も素晴らしい一冊です。英語を学ぶすべての人が必読必携だと思います。英語を学び直そうと思っている方はまず本書を手に取ることを絶対的にお薦めします。発音ができるようになると英語を学ぶこと、読みこと聞くことが楽しくなります。
発音に自身のない方は、口のエクササイズだと思って、一ヶ月、毎日、一時間、第二章~第四章の発音バイエルをやりましょう!!
それでは。
Goodbye! See you again!!
『オバケの英語』明川哲也、クレイグ・ステファン(宝島社)
『オバケの英語』明川哲也、クレイグ・ステファン(宝島社、2004年6月)
元・叫ぶ詩人の会のドリアン助川=明川哲也氏のニューヨーク滞在と現地でのライヴ活動のための発音の特訓を基にした英語参考書です。
8章の構成で、それぞれ黒人のオバケとの対話による解説・訓練とそのオバケに渡される英語教材であるショートストーリーのペアになっています。
CD付きでショートストーリーのナレーションが収録されています。
各章の発音のレクチャーの内容は以下の通り。
1.無声子音の練習
2.p、f、t、k、sなどの破裂音の練習
3.th、sh、tchの発音
4.lとr、wの練習
5.a系統の音の発音、二重母音の発音、母音の音とスペルの関係
6.曖昧母音の発音
7.中口母音の発音
8.英語の発音や学習についての方針などのまとめ
母音子音のすべての発音を基礎から練習する本ではなく、現地での経験をベースにして日本人の英語の発音でネックになる部分を矯正するための教材です。
CDのナレーションはネイティヴによるものですが英語教材的で味気ないです。だからこそ、わかりやすいです。アメリカの文化などのエピソードも含めてラフに書かれたオバケとの対話による解説もショートストーリーもあまりおもしろくないんですが、発音の解説や練習は実践的でかつかなり役に立つものになっています。コストパフォーマンスは高いと思います。
英語の発音の基礎を習得していて、さらに「通じる発音」にレヴェルを高めたい方にオススメします。
Cheers!!