『イギリス英語スピーキング・ブック』飯塚恭子、マックス・ウェルチ、スコット・ノルマンディー(語研、2007年12月)
ブリティッシュ・イングリッシュで書かれた英会話フレーズ集!!
ブリティッシュ・イングリッシュで書かれアメリカン・イングリッシュとの差異やイギリス文化の解説がされた英会話フレーズ1200を収録した教材です。
全体は「基本表現」「日常生活の表現」「自然・季節の表現」「感情表現」の4つのパートに分かれます。それぞれのパートの中で具体的な多くのチャプターに分かれフレーズが紹介されます。ページの構成はシンプルでチャプターの中に日本語訳→英文の順でフレーズが収められていて、その合間に解説が入ります。解説は、一般的な注意、イギリス的な表現であることの解説、イギリス文化的な解説、アメリカン・イングリッシュとの文法やヴォキャブラリーの違い・文化的な違いが解説されます。
CD2枚付きで、フレーズがブリティッシュ・イングリッシュのネイティヴスピーカーの男性・女性によって口語に読まれていきます。スピードはナチュラス・スピードでチャプターの間にチャイムとチャプターの名前の日本語によるナレーションが入る以外はひたすらフレーズが読まれていきます。アクセントが強過ぎない普通のブリティッシュ・イングリッシュです。
本書の特徴は、細かくチャプターが分かれて、具体的な場面に対応した多くの表現、日本人の知らない口語的な表現が沢山収録されていることです。それと感情表現が30ページ収録され、コミュニケーションに必要な感情表現のフレーズを沢山勉強することができます。
基本的に会話フレーズ集として優れていて、それをブリッティッシュ・イングリッシュやイギリスの文化や地名を踏まえてアクセントを加えた、という感じの本です。
CDのナレーションがフレーズで途切れますがナチュラル・スピードだったり口語的な表現が収録されているのでレヴェルは中級者以上向きです。ブリティッシュ・イングリッシュの発音や文法といった基礎は解説されていません。
ブリティッシュ・イングリッシュが好きな方、イギリス旅行などを計画している方にオススメです。
Goodbye!! Cheers!!
『イギリス英語Total Book』カール・R・トゥーヒグ(ベレ出版)
『イギリス英語Total Book』カール・R・トゥーヒグ(ベレ出版、2001年6月)
発音と文法、イギリス文化が丁寧に解説された本格的”ブリティッシュ・イングリッシュ入門”書!!
イギリス人の著者が書いたブリティッシュ・イングリッシュとイギリス文化を幅広く基礎から徹底的に知るための一冊です。
全体の構成は「アメリカ英語VSイギリス英語」「イングランドの言語と文化」「Bits and Bobs半端物」の3つのパートに分かれます。
Part 1「アメリカ英語VSイギリス英語」では、ブリティッシュ・イングリッシュとアメリカン・イングリッシュを比較しながら、ブリティッシュ・イングリッシュの特徴を紹介します。文法の違い、スペリングの違い、発音の違い、ヴォキャブラリーの違い、異義語、イディオムの表現違いがそれぞれのチャプターで紹介されます。すべて英/米両方のの例文や英/米での意味の違いが掲載されています。
Part 2「イングランドの言語と文化」では、まずイングランドの歴史や起源を紹介します。次に「食べ物」「飲み物」「天気」「お金」「スポーツ」「宗教」「政治」「教育」「階級制度」「ギャンブル」「テレビ」「社交」「体」「セックス」の各チャプターで、そのテーマに関する文化的な解説や話題、それに関連するイディオムとスラングが入った多くの例文を紹介します。
Part 3「Bits and Bobs半端物」では、シェイクスピアの英語、コックニー、ヨークシャーの北部方言の紹介と最後にイギリスでよく使われる単語や短いフレーズ、スラングの一覧があります。
CD1枚付きです。Part 1では、ブリティッシュ・イングリシュとアメリカン・イングリッシュのネイティヴ・スピーカーによって、それぞれ英/米のフレーズや単語が読まれていきます。英/米での発音やイントネーションの違いが直接比較できるところが優れています。Part 2と3では、ブリティッシュ・イングリシュのネイティヴ・スピーカーによって、例文が読まれます。Part 3のコックニーの例文のヴォリュームが沢山あり、たくさんのコックニーのナレーションを聞くことができます。
他のブリティッシュ・イングリッシュの解説本とは違い、フレーズや会話をいきなり示すのではなく、発音とイントネーションやアクセントの違いが十分に丁寧に解説されている点が特色です。また、コラムが沢山あり、イギリス文化の紹介本としてもおもしろい本です。
本書は、イギリス英語の発音や文法の解説が丁寧にされた「ブリティッシュ・イングリッシュ入門書」ですが、「英語入門書」ではありません。ある程度英語力がないと特に後半の内容には付いていけないと思います。ですが、英語の内容に付いていけなくてもイギリス文化の読み物として十分おもしろい本です。
BBCなどを聞くために”ブリティッシュ・イングリッシュに入門”したい方、イギリス文化に興味がある方に推薦します。
Goodbye!! See you again!!
『英語イディオム500語源とイラストで一気に覚える』清水建二、ピーター・ホーガン(明日香出版社)
『英語イディオム500語源とイラストで一気に覚える 右脳と左脳で一気に覚える』清水建二、ピーター・ホーガン、ウィリアム・カーリー、ピーター・ヤング(明日香出版社、2004年9月)
意味不明のイディオムがなぜそんな意味なのか見えてくる!!
イディオムを背景になっているイメージや文化的な背景知識の解説とイラストで理解する熟語集。
360のイディオムが収録され、AからWまで、アルファベット順でイディオムが並べられて収録されています。
1ページに均等に2つのイディオムが収録されています。まずその項目で取り上げるイディオムが提示されその下に直訳とイディオムとしての意味が書かれます。次に文化的・歴史的な知識による解説や元の意味とイディオムとしての意味の繋がりや発展の仕方が説明されます。さらに関連表現が掲載されている場合もあります。その右側にはイラストが描かれています。その下には、ダイアローグによる例文(2人よる2~3回の発言による会話)とその日本語訳があります。
CD一枚付きで、メインのイディオムとダイアローグがネイティヴの男性と女性によってナチュラルスピードで読まれます。発音は、普通のアメリカン・イングリッシュです。
イディオムには、「文化や習慣を超えた普遍的な発想によるイディオム」と「文化的・歴史的な背景知識によるイディオム」の2つがあります。
本書で紹介されているイディオムは、学校英語で習うようなイディオムではなく、日本人には理解しにくい文化的・歴史的な背景がルーツとなっている実生活で用いる口語的なイディオムが中心です。「文化的・歴史的な背景知識によるイディオム」を理解できるのがこの本の特徴です。
「語源とイラストで一気に覚える」というタイトルですが、「語源」(origin of word)という記載は間違っています。語源とは「単語の成立・起源・原義」のことで、単なる「言葉が持つイメージ」ではありませんし、「単語の原義」はほとんど紹介されていません。正確にはこの本では「語源」による理解はほとんどできません。イディオムの文化的な原義やイディオムがもたらした新たな言葉の意味という点では”語源”を説明してはいます。
イディオムがなぜ直訳と全く違う意味になるのか理解できて、文化的・歴史的な知識が書かれていて読んでいて楽しくおもしろい本です。
イラストは粗末なものや無理に書いているものが結構あり、CDはただ聴いているだけではあまり意味がないのが残念です。
ネイティヴと日常的な会話がしたい方やアメリカ文学やイギリス文学の小説を原書で読みたい方、映画やニュースなどの理解色を高めたい方にオススメです。
Goodbye!! See you again!!