<マーケット・セグメンテーション>
企業の意図を市場ニーズと的確に一致させるため、市場を細分化し絞り込むこと。
<マーケティング>
大量生産と大量消費のメカニズムを円滑に回転させるために、財とサーヴィスの全流通過程を生産者あるいは流通機構の手中に管理する、企業経営の組織的活動。その基本は、消費者に対して財とサーヴィスを購入したいという欲望を起こさせることである。現代の消費者は、購買に際してかなりの選択の自由をもっているが、しかしマーケティングは、あらゆる手段を用いて、知らず知らずのうちに消費者の欲求を操作し、生産者ないしは流通機構の設定する経営的な目標に向かっその欲求を喚起し活動するという、消費者の欲求管理を行おうとする。
<麻酔的逆作用>ラザーズフェルド、マートン
マス・メディアからの大量情報に接触する人々が、受動的に情報を吸収するだけで満足し、社会的行動への能動的参加のエネルギーを喪失してしまう状態。
<マルチカルチュラリズム>
一社会の統合を一元的な立場から追求するのではなく、文化・宗教・生産様式の多様性があっても可能とする立場。カナダ、オーストラリアでは国家政策となる。その一方で人種・エスニック集団の自立化と社会の分裂を危惧して、市民文化や普遍的権利を強調する意見も少なくない。
<マン=マシーン・インターフェイス>
人と機械の情報交換の「仲介」装置。自動車・航空機のハンドル、計器、投票制度、市場制度など。
<民主的パーソナリティ>アドルノ
民主主義的イデオロギーをもつパーソナリティ型。自発的で、新しい事態にすぐ対応でき、責任感が強く、自己の使命をよく見定めることができる。
<無規制的分業>デュルケーム『社会分業論』
有機的・調和的関係の失われた近代産業社会の病理形態。
<無駄の制度化>
厖大な国防支出、設備陳腐化のスピードアップ、宣伝・広告費など、再生産過程には直接役立たないが、商品やサーヴィスの吸収を促進するという意味で、私的資本の論理のなかで一種の合理性をもって成立している無駄。現代資本主義の安定と繁栄は、無駄の制度化によって維持される。
疎外された消費行動が生み出す大衆社会状況の一側面。大量生産・消費のメカニズムのもとでは、消費行動は、商品の迅速なモデル・チェンジ戦術や、広告の欲望合成作成に規定され、消費者自身も他人志向型の性格や地位象徴を求める願望を強め、無駄の制度化ともいうべき使い捨て文化をつくる。
<メセナ>
芸術・文化の振興を支援する活動。
<メタ言語>
メッセージの解釈を一義的に指定しなければならない場合や、解釈が不安定になることが予測される場合、メッセージの含意を説明するために付与されることば=記号。
<目的合理性>ヴェーバー
一定の目的設定が行われた場合、その達成のための手段選択、操作可能でない事物や他者がつくり出す「条件」への配慮、行為の付随的結果の予測と統制が合目的に行われること。
<目的動機>シュッツ『社会的世界の意味構成』
前もって考えられた企図にもとづいていま進行している行為を未来から規定している、その行為によってもたらされるべき事態。
<目的論的説明>
社会的行為や現象を分析・説明・理解する場合に、因果論的にではなく、何らかの目的のためになされ、ないしは生じたものとして説明する方法や態度。
<目標指向>
未来の望ましい状態を目標として設定し、現在の状態とその目標状態との間のズレを縮小していく働き。
<物の体系>ボードリヤール
現代の消費社会では、モノは欲求対象としての物財的な生産物ではなく、消費という体系的な記号操作活動のなかに組み入れられる<記号>となっている。記号としてのモノは相互に、非本質的で周辺的な差異のシステムを構成し、消費者の社会的地位をコード化し、彼に「個性」を賦課する。モノの記号性はモノについてのコノテーション的な言説としての広告や、生産よりも消費を先行させるクレジットによって促進させられる。
<模倣>タルド
他の個体の行動を見て、他律的にか自発的に類似の行動を取ること。社会関係を成り立たせる結合性ないし同調性を可能にする機能を営む。社会を発明の模倣によって拡充する現象と捉え、社会現象を発明と模倣の心理的事実で説明した。
<モラル・パニック>コーエン
青少年の些細な問題行動に対して、マスコミ、地域社会、警察等が過剰に反応すること。イメージとしての問題が増長され、それが社会的脅威と認識され、社会はパニック状態に陥る。