『VOA英語ニュース パワー・リスニング』小林敏彦(語研)

『VOA英語ニュース パワー・リスニング』小林敏彦(語研、2002年5月)
ガイドつきで本格的なニュース英語リスニングに挑戦!!
アメリカの国営放送VOAのニュースを素材にガイドをつけることで本物の英語のリスニング力を獲得するための教材です。
全体は1週間単位で学習する4つのWeekで構成されています。それぞれのWeekのタイトルは「Politics」「Business」「Life & Society」「Health & Environment」となっています。Weekにはテーマに関連する5つのDayが収録され、Dayには2つのUnitが収録されています。
それぞれのUnitは以下のような構成になっています。まずSTEP 1の「Listening Warm-up」では、ニュースに登場する7つの単語やイディオムとその英語での簡単な意味が紹介されます。これらを読んでイメージを膨らませてUNITのCDを聴きます。STEP 2「Listening for Comprehension」では、Task 1~3の3題の問題でリスニングの理解を問います。Task 1では、2つの英語のニュースの概要を問う質問に日本語か英語で答えるます。Task 2では、もう一度CDを聴いて、ニュースの内容を問う2つの正誤問題によってニュースの理解をテストします。Task 3では、さらにもう一度CDを聴いてから、空所のある3つの英文が出され、それぞれ3つの英文から空所を埋めるのに適切なものを選びます。STEP 3「Listening for Perception」では、2つのUnitのの短いUnitのところどころに空欄のあるスクリプトが出題され、CDを何度も聴いてその空欄を埋めていきます。次に、「News Script」としてニュースの音声の全文を表記したコーナーがあります。そして、スクリプトの日本語訳、「Vocablary Review」として、10のヴォキャブラリーが紹介されています。
CD1枚付きで、VOAの実際の放送を短く切り取って収録しています。それぞれのユニットは「Listening for Perception」で出題されないものは50秒から1分10秒ほど、出題される短いものは20~30秒となっています。英語教材としてクリアに発音されて音質が調整されたものを聴くのではなく、リアルな英語のナレーションが聞き取れることを目的としているので、CDの音声の音質は良くはないです。発音はアメリカン・イングリッシュで、スピードは速めです。
ニュースは、筆者によって日本人が聞き取りができなくても単語で内容が推測できるものではなく、純粋に聞き取り能力をテストすることができるものが選ばれています。
ナチュラル・スピードの本格的な英語ニュースを、さまざまなヒントや問題を頼りに聞き取ることで、リスニング能力を鍛えることができる教材です。筆者はTOEIC 500点以上の英語中級者~上級者を対象にしていると述べています。
英語中級者~上級者で、オーディオ・ブックや英語教材のリスニングはできるけど、ニュース英語のリスニングは難しいという方にオススメです。
Cheers!!