『英語イディオム500語源とイラストで一気に覚える』清水建二、ピーター・ホーガン(明日香出版社)

『英語イディオム500語源とイラストで一気に覚える 右脳と左脳で一気に覚える』清水建二、ピーター・ホーガン、ウィリアム・カーリー、ピーター・ヤング(明日香出版社、2004年9月)
意味不明のイディオムがなぜそんな意味なのか見えてくる!!
イディオムを背景になっているイメージや文化的な背景知識の解説とイラストで理解する熟語集。
360のイディオムが収録され、AからWまで、アルファベット順でイディオムが並べられて収録されています。
1ページに均等に2つのイディオムが収録されています。まずその項目で取り上げるイディオムが提示されその下に直訳とイディオムとしての意味が書かれます。次に文化的・歴史的な知識による解説や元の意味とイディオムとしての意味の繋がりや発展の仕方が説明されます。さらに関連表現が掲載されている場合もあります。その右側にはイラストが描かれています。その下には、ダイアローグによる例文(2人よる2~3回の発言による会話)とその日本語訳があります。
CD一枚付きで、メインのイディオムとダイアローグがネイティヴの男性と女性によってナチュラルスピードで読まれます。発音は、普通のアメリカン・イングリッシュです。
イディオムには、「文化や習慣を超えた普遍的な発想によるイディオム」と「文化的・歴史的な背景知識によるイディオム」の2つがあります。
本書で紹介されているイディオムは、学校英語で習うようなイディオムではなく、日本人には理解しにくい文化的・歴史的な背景がルーツとなっている実生活で用いる口語的なイディオムが中心です。「文化的・歴史的な背景知識によるイディオム」を理解できるのがこの本の特徴です。
「語源とイラストで一気に覚える」というタイトルですが、「語源」(origin of word)という記載は間違っています。語源とは「単語の成立・起源・原義」のことで、単なる「言葉が持つイメージ」ではありませんし、「単語の原義」はほとんど紹介されていません。正確にはこの本では「語源」による理解はほとんどできません。イディオムの文化的な原義やイディオムがもたらした新たな言葉の意味という点では”語源”を説明してはいます。
イディオムがなぜ直訳と全く違う意味になるのか理解できて、文化的・歴史的な知識が書かれていて読んでいて楽しくおもしろい本です。
イラストは粗末なものや無理に書いているものが結構あり、CDはただ聴いているだけではあまり意味がないのが残念です。
ネイティヴと日常的な会話がしたい方やアメリカ文学やイギリス文学の小説を原書で読みたい方、映画やニュースなどの理解色を高めたい方にオススメです。
Goodbye!! See you again!!