90分でわかるデカルト ポール・ストラザーン 青山出版社

‘Descartes in 90 Minutes'(‘Philosopher in 90 Minutes) Paul Strathern (Ivan R Dee, 1996/09)
‘Descartes in 90 Minutes'(‘Philosopher in 90 Minutes)[Audiobook] Paul Strathern (Blackstone Audiobook, 2003/10)
90分でわかるデカルト ポール・ストラザーン (青山出版社、1997年3月)
デカルト、その生き方と新哲学!
デカルトの生涯と哲学的科学的業績を簡潔に紹介した一冊。
アリストテレス~トマス・アクィナス~スコラなどの哲学・科学的な状況、カトリック/プロテスタントなどの宗教的な状況など、当時のヨーロッパの文化的、思想的なバックグラウンドを取り上げながら、デカルトの生涯に沿ってデカルトの確立した新哲学の確立の軌跡と意味が描かれます。’Such was his life no dramas, no wives, no great public success (or failure).’と書かれていますが、デカルトの現実の哲学の冒険を、かなりプライベートなものも含めた数々のエピソードを取り上げながら、わかりやすい言葉で書かれています。
残念なのは、自伝が中心でデカルトの哲学の”内容”の記述が少ないことですが、デカルトの哲学の、近代哲学の入門の一冊としてオススメです。
この本には、日本語訳、オーディオブックも発売されているので、中級の英語リーディング/リスニングの教材としても活用できます。
哲学のボキャブラリーは少ないのですが、宗教・科学関係のボキャブラリーがあったり、妙にわかりにくい口語的なボキャブラリーが多く少し難しい感じもしますが、英語がある程度できるなら辞書でしらべれば十分読めるレベルの難易度です。
本とオーディオブックでは現在形/過去形、thatの省略、hereとthereの入れ替え、to begin with→at begin withなど、多少、言い回しや語法が違いますが、99%は同じです。
発音はブリティッシュ・イングリッシュですが、癖がなく中級者には適度なスピードで聴きやすいものです。子音がはっきりしていて巻き舌のrがないので、日本人にとってはむしろアメリカンイングリッシュより聴きやすいと思います。
僕のお薦めする使い方は、Life and worksの部分(本文)、オーディオブック1トラックを聴きながら目を通す→辞書を引きながら訳を下に書いて読む→その部分のオーディオブックまた聴く、とことを繰り返して、全体が終わったら、何回か本を通して読んだり、移動中等にオーディブックを聴くことです。
中級の英語リスニング、ブリティッシュ・イングリッシュの入門の教材、近代哲学とデカルトの入門として推薦します。
それでは。
Goodbye! See you again!!

Descartes in 90 Minutes (Philosophers in 90 Minutes)
Descartes in 90 Minutes (Philosophers in 90 Minutes)
90分でわかるデカルト