ジャズ入門 初心者にオススメの名盤トップ10

1.「クッキン」マイルス・デイヴィス・クインテット(プレステージ、1957)

マイルス・デイヴィスがプレステージ・レコードとの契約を満了させ、コロンビア・レコードに移籍するために突如、数日で大量のレコードディングを行なったことで有名な「マラソン・セッション」のうちの一枚です。マイルスの第一期黄金クインテット(ジョン・コルトレーン(ts), レッド・ガーランド(p), ポール・チェンバース(b), フィリー・ジョー・ジョーンズ(dr))の高度にシンクロしつつもライヴ感のあるプレイ、マイルスのハードバップ時代の頂点にある成熟した演奏を聴くことができます。面白いことにこのレコードに収録されているのは、セッションの最後の方の録音ですが、最初にレコードとしてリリースされています。マイルスのハーマン・ミュートの音色が甘い、極上のバラードの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」の名演とハードで早いテンポでドライブしながらも完成されたプレイのソニー・ロリンズの曲「エアジン」の対比が印象的な名盤です。

2.「ポートレイト・イン・ジャズ」ビル・エヴァンス・トリオ(リバーサイド・レコード、1959)

ビル・エヴァンスの代表作の一つであり、ベースのスコット・ラファロ、ドラムのポール・ポチアンと結成したトリオの類いまれなる演奏を捉えたジャズ・ピアノとモード・ジャズの最高の一枚。「枯葉」や「ウィッチクラフト」「恋とは何でしょう」「いつか王子様が」など親しみやすいスタンダード・ソングを中心に、エヴァンスとラファロの高度なインタープレイやモード奏法など原曲を超越した高度な解釈とアレンジ、テクニック、インプロヴィゼーション、アンサンブルで演奏されています。

3.「タイム・アウト」デイヴ・ブルーベック(コロンビア、1959)

全ての曲が変拍子の曲で構成され、「テイク・ファイブ」で有名な名盤ですが、クラシックの影響を受けアレンジが施されたウェスト・コースト・ジャズという側面もあります。「トルコ風ブルーロンド」「ストレンジ・メイドウ・ラーク」など他の収録曲でクラシック的な優しい曲調の佳作が揃っていて私は好きです。ソフトで親しみやすく美しいポール・デズモンドのアルトサックスとブルーベックのエレガントなピアノはジャズ史の中の最高のコンビネーションの一つです。

4.「ザ・シーン・チェンジズ」バド・パウエル(ブルーノート、1958)

バド・パウエルがブルーノートに残した、右手はメロディ、左手はバッキングに専念するというバード・バップのピアノ・トリオの演奏法を確立したジャズ・ピアノ最大の名盤です。ドラッグによる不調から復帰したパウエルの鬼気迫るハードで爽快でシンプルな演奏が聴けます。

5.「ジャイアント・ステップス」ジョン・コルトレーン(アトランティック・レコード、1960)

下記のマイルスの「カインド・オブ・ブルー」を経たコルトレーンが複雑なコード進行と転調による独自のモードジャズを確立した名作。超絶技巧、超絶的なコード理論の演奏がされているが、音楽自体はアルバム・タイトルの通り痛快でかっこいい。束縛から解き放たれ、自己のスタイルを確立し、才能を開花させたコルトレーンの姿を捉えている。

6.「カインド・オブ・ブルー」マイルス・デイヴィス(コロンビア、1959)

世界で最も売れたジャズのレコード・CDであり、マイルスがモード・ジャズを完成させた独特で実験的でありながらもクールでシンプルなジャズの歴史の中の究極の名レコーディング、名盤の一つです。このレコーディングと同じもの、並ぶものはありません。リラックスしつつも緊張感と深い理解のあるアンサンブル、全曲のマイルスとキャノンボール・アダレイ、コルトレーン、エヴァンスの一つ一つのアドリブ・フレーズが美しく尊い最高の音楽です。

7.「リラキシン」マイルス・デイヴィス・クインテット(プレステージ、1958)

上記の「マラソン・セッション」の二作目にリリースされたレコードです。「クッキン」と前後したレコーディングのアルバムです。ミドル・テンポの曲が中心で、マイルスの特徴的なハーマン・ミュートの味わい深い音色が堪能できる名盤です。

8.「アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション」アート・ペッパー(コンテンポラリー、1957)

ウェスト・コースト・ジャズを代表するアルト・サックス奏者、アート・ペッパーがマイルス・クインテットのリズムセクションと共演したリラックス感がありつつもダイナミックな演奏の「普通」で良いジャズの名盤です。

9.「レディ・フォー・フレディー」フレディ・ハバード(ブルーノート、1961)

ジャズ史上最高のテクニックと音色を持つトランペッターの一人であるフレディ・ハバードの初期の佳作あるいは名作で、「普通の」優れて完成されたハードバップが聴けます。

10.「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」ソニー・ロリンズ(ブルーノート、1957)

ハード・バップを代表するテナー・サクソフォニスト、ソニー・ロリンズのライヴ盤です。ジャズとジャズ・サックスの代表的な名盤だとされる「サキソフォン・コロッサス」よりもライブ感のあるこのアルバムの方が私は好きです。

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