■『本を読む本』モーティマー・ジェローム・アドラー(講談社学術文庫)
■『読書について 他二篇』アルトゥール・ショウペンハウエル(岩波文庫)
■『読書と人生』三木清(講談社文芸文庫)
戦前〜戦中の気鋭の哲学者、三木清が自身の文学と哲学などの読書遍歴、どのように読書をするか、読書の効用、読書から学問や知識、知恵をどのように学ぶか、西田幾多郎やハイデッガーから学んだ時の思い出などを書いた読書論集。
ひとたび読書し始めるならば、落ち着かない心も落ち着き、憂いも忘れられ、不運も心にかかることなく、すべて読書に好都合な状態が生ずるであろう。いやいやながら始めて、やがて面白くなってやめられなくなる場合が多い。先ず読書することから読書に適した気分が出てくる。ひとたび読書の習慣を得れば、習慣があらゆる情念を鎮めてくれる。(p.113)