<役割期待>
集団や社会は、その対内的・対外的な相互行為場面において一定の地位の占有者の果たすべき典型的な行動を様式化して、順守するように期待する。
<役割取得>
特定の相互行為場面に適応していくために、自分の地位にふさわしい行動様式を的確に学びとり、自分の諸属性に合わせ実行に移すこと。
<夜警国家>ラッサール、ロック、スミス
政府の任務を犯罪の取締と外敵からの防御に限定し、私生活や経済活動に立ち入ることを禁じる考え方。
<野生の思考>
野生の思考は科学的思考と共存し現代文明の基層をなす。手元にある雑多で意味に満ちた記号やイメージのストックからの選択・結合を行うという点で知的な<プリコラージュ>といえ、綿密な観察にもとづき可感的なタームにより感覚世界の可知的な組織化をめざすという点で<具体の科学>ともいえる。
<友愛家族>バージェズ、ロック『制度から友愛へ』
成員は愛情によって結合し、平等な関係に立ってお互いに幸福の追求を第一義とする。
<有機的連帯>デュルケーム
独立した人格をもった異質の成員が、自らの個性を能動的に生かしながら、分業にもとづいて相互に結びついて形成する社会の結合形態。
<豊かな社会>カルブレイス
欠乏と闘ってきたかつての社会対して、生産力が向上し、民間部門の豊かさと公共部門の貧しさのアンバランスという問題性をもつようになった社会。豊かな社会の基本問題はモノよりも人に移り、「人間の投資」としての教育が重視されなければならない。
<陽気なロボット>ミルズ
人間関係管理を通して職場生活のなかで幸福感と満足感を与えられ、高い企業帰属意識をもって嬉々として作業能率の向上に励んで働くホワイトカラーの現代像。
<余暇社会>
余暇の享受が中心的価値をなっているような現代社会のあり方。レジャーの大衆化により、現下の労働では達成できない自己実現の積極的な意味が見い出されるようになった。
<抑圧的寛容>マルクーゼ
寛容はかつて政治的自由主義の基本的な徳であり、「解放的」な意味があった。現在の管理社会では、寛容は真の対立をぼかし、反体制運動などを骨抜きにし体制内に編入する、体制的な差別と支配の構造を許容し維持する「抑圧的」な力となっている。
<抑圧的脱昇華>マルクーゼ
先進的な産業社会では、昇華によらないリビドーの直接的満足が許容される。しかし、それはリビドーの局所化と引換えに秩序維持の立場から望まれた「制度化された脱昇華」であり、自由を拡大しながら支配を強化する現代の社会統制の副産物である。
<欲望の体系>ヘーゲル『法哲学』
市民社会の基本的契機として原子論的諸個人の相互的依存関係をしるしづけたことば。市民社会では利己的諸個人が各自の欲求充足を図るために分業・交換・交通の依存関係に入り、この関係を通じて全体の福祉が媒介される。
<四つの願望説>トマス
人の普遍的で基本的な欲求。1.新しい経験ないしは刺激を求める願望。2.安全を求める願望3.感情的反応を求める願望4.社会的認知を求める願望