<ライフコース>
個人が成熟し、生活を変えていくにつれてたどると期待される社会的役割の束、役割移行の文化的に定義されたパターン。
<ラジオ研究>ラザーズフェルド
大衆のラジオ聴取行動は娯楽番組に偏っているが、そこから日常生活上の効用を得て、娯楽番組には教育機能が潜在している。
<ラベリング理論>レマート、ベッカー
逸脱行動の存立を、逸脱者とかかわる人々による、逸脱のカテゴリー付与や社会的反作用といった認知や評価によって説明しようとする。
<ラングとパロール>ソシュール
言語活動の社会的側面がラング、個人的側面がパロール。ラングは、個人に言語能力の行使を許すために社会が採用した規約・約定。パロールは、話し手の意志にもとづきラングの規制のもとで実行される結合・発生の個人的行為。ラングが潜在的で集合的な記号システムで、パロールはその個人的な実現である。
<リインフォースメント>ラザーズフェルド『ピープルズ・チョイス』
マスコミの社会的効果のひとつで、受け手の意見や態度の妥当性・正当性がマスコミとの接触過程で再確認され、いっそう強化されること。人々は、自分の意見や態度と一致や近似した内容と接したがり、そうしたものだけを受容する傾向がある。マスコミのキャンペーンや報道内容が直接、態度変容を引き起こすことは少ない。
<利他主義>コント
他者の幸福と利益のための行為。
<理想的発話状況>ハーバーマス
問題化した行為規範の妥当性を根拠づけるための純粋な<ディスクールス>において、それらを可能にする不可欠の構成条件としていつもすでに想定されている仮象。
<リゾーム>ドゥルーズ、ガタリ『ミル・プラトー』
秩序的・上下関係的な旧来の制度や構造、ヒエラルキー的・伝統的な思考法を示すツリーに対し、相互に異質なものが横に結びつく、新しい関係や思考法しめす概念。
<リードとラック>
社会的・文化的な変動は絶えざる調整と再調整によるが、構成諸要素は、それぞれ適応力や変動率においても、取捨選択の難易においても差異があるので、ある要素の変動が先行、または遅滞する
<理念型>ヴェーバー
<リビドー>フロイト
人の成長・発展を可能にする心的エネルギー源。<エロス>と<タナトス>がともに含まれ、厳密には前者をリビドー、後者をモルティド−という。精神分析では、人の行動はすべてエロスとタナトスの相互対立的・結合的作用である。
<流動化社会>ベニス、スレーター
現代社会は一時性を特質とするが、それに対応する有機的な一時的システムの形成が人の自己変革を可能にする。
<理由動機>シュッツ『社会的世界の意味構成』
前もって考えられた企図にもとづいていま進行している行為を、その企図の構成それ自体を規定することによって過去から規定している、行為者の過去の総体。
<領有>マルクス
諸個人が自己にとって外的な対象として存在するものを「わがもの」として獲得すること。これを可能にしている社会関係や社会過程を包括した概念。
<理論社会学>
<類からの疎外>ヘーゲル、フォイエルバッハ、マルクス
人の本質たる類的存在、共同体的存在から人が疎外されること。マルクスは共同存在のシステム自体が疎外態であることから人が疎外されるとしている。
<レッセフェール>スミス『諸国民の富』
自由競争こそ国富を増大させるとし、経済活動に対する国家の干渉を否定する要求・政策。
<レリヴァンス>シュッツ
有意性。個人や集団が自分達にとって有意味な生活領域を特徴づけるときの評価や判断の基準となるもの。
<労働価値説>マルクス『資本論』
人の労働が価値を生み、それが商品の価値の大きさを決定する、という経済思想。商品の価値はその凄惨に必要な社会的労働時間によって決まる。し善意働きかける主体的な営みとしての労働を軸にしているという点で、近代思想の枠にとどまっているという批判がある。
<労働過程>
人が労働手段を用いて自然に働きかけ、自然を加工し、成果を生産物として手にする過程。それは有用労働と労働手段を基本的要素とし、技術的労働過程と組織的労働過程との結合として展開される。人が人として存在する限り労働過程の展開は不可欠である。資本主義的な生産形態のもとでは、それは資本の価値増強の過程としてのみあらわれる。
<ロゴス中心主義>デリダ
<シーニュ>に先行する、自己・ロゴス・神の「現前」を認め、それが意味の究極的根拠をなすとする考え。<パロール>のなかにこそ、その意味が直接的に現前するという西洋伝統の思考であり、<ディコンストラクション>の対象となる。
<ワンウェイ・コミュニケーション>
送り手と受け手の役割が固定され、情報が一方向にしか流れないコミュニケーション。講演やマス・コミュニケーションなど。