『イラストで記憶に残る 語源ビジュアル英単語』清水建二、ウィリアム・ジョセフ・カリー、中田達也(学研)

『イラストで記憶に残る 語源ビジュアル英単語』清水建二、William Currie、中田達也(学研、2009年2月)
語根とイラストで単語の語源を覚える!!
語根と語源をイラストで効果的に理解することで確かなヴォキャブラリーを手に入れるための教材です。
全体の構成は、それぞれの語根がアルファベット順で収録されていて、見開き2ページでひとつの語根を取り上げます。magnとmax、ruptとrouteなど同じ意味の語根、関連する語根は同じページにまとめられています。
本文のページの構成は、左ページの上半分はにそのページのベースになる語根と解説したイラストと例を挙げた簡単な解説があります。左ページの下半分にはその語根が用いられている単語2つが掲載されていて、右ページには4つの単語が掲載されています。それぞれの単語の解説では、まず当該の語根が用いられた単語が提示され、発音記号と品詞と単語の意味、構成する語根による単語の意味か具体的な単語の内容とそれぞれの語根の意味、関連する単語、例文とその日本語訳、そして、単語のイメージを表現したイラストが掲載されています。
すべての単語にイラストがついていて文字情報と視覚情報という2つの情報が結びつくことで記憶保持を促進させること、語源を覚えることで記憶を確かなものにすることが本書を作った筆者の意図です。文章での解説はなく語根とイラストで単語を記憶することを意識していることが本書の特徴です。
ポップなイラストのイメージとは違い応用的なヴォキャブラリーが紹介されているページもあります。「bar=棒、横木」では、embargo、debar、barristerなどが、「mon(ster)=示す、警告する」では、muster、admonish、summon、remonstrate、premonitionなどが取り上げられます。
イラストは、非常に効果的に意味を表現しているものもあれば、adultで大人のイラストを書いているだけ、localで観光客の白い人と地元の日焼けした人が歩いている、のように意味がよく解らないものもあります。イラストで記憶するということを考えると難度も読む必要があります。
例文とイラストの内容が関係がないのが残念です。ふたつが絡んでいればさらに効果的な単語の記憶ができると思います。
語根を簡潔に覚えること、それを単語に簡単に応用して記憶することができます。他の語源関係の本のように無駄な歴史的な解説に飽きてしまうということはありません。明晰に単語を記憶できるという点で非常に優れた画期的な教材だと思います。
語源や語根を覚えることは英語を学ぶ上で有効で有益なので英語初心者から、高度なヴォキャブラリーが掲載されているので中級者~上級者まで活用できる教材です。どなたにもお薦めできます。
Cheers!!