『イギリス英語でとっさのひとこと』Cafeglobe.com、サマンサ・リーレンス(語研、2003年8月)
リアルな今のイギリスの日常会話フレーズを収録!!
全体の構成は「じつは私……」「話があるんだけど……」「まさか……、納得……」「頑張ろうね、頑張ってね……」「うれしいな、よかったな……」「まいったな……、助けて……」「ああ腹が立つ、うんざり……」「困った人……」の各パートにわかれます。パートに分かれている意味がよくわかりません。でも、例えば「ああ腹が立つ、うんざり……」なら怒りや困惑に関連する表現が収録されている気がしますが、他のパートは……。
本文のページの構成は、1ページでひとつの表現を取り上げています。まず、メインのフレーズと日本語訳が紹介されます。その下には、フレーズを用いた2文から8文のダイアローグと日本語訳があります。次にフレーズの意味や使い方、シチュエーションなどに関する解説があります。ページ下部には、「こんな表現もつかえます」として、同じ意味の表現、関する表現、同じシチュエーションで用いる表現が紹介されます。ほとんどの右ページの解説と「こんな表現もつかえます」の間に「いまどきのロンドン」として、イギリスの現在の生活や若者文化に関するコラムがあります。
CD1枚つきで、ブリティッシュ・イングリシュのネイティブの複数の男性・女性によるナレーションが収録されています。発音は普通の(クイーンズ・イングリッシュやBBCイングリッシュではない)ブリティッシュ・イングリッシュだと思います。聴きやすいですが、発音がやや教材的で物足りない感じもあります。
「とっさのひとこと」というタイトルから旅行の英会話を思い浮かべるかもしれませんが、内容は若者の日常会話です。フレーズやダイアログの文は短くほとんど「ひとこと」という感じです。現在のロンドンの20~30代の若者が使っているリアルな口語が収録されています。スラングではないがジョークをメタファーや含んだようなラフな表現や会話が収録されています。日本では類書がなく、この本でしか読むことができないないようだと思います。ダイアログの内容自体は短いのでイギリス文化を取り上げている感じはありません。
コラムがおもしろく、これだけでも読む価値があります。普通のブリティッシュ・イングリッシュを聴ける貴重な教材でもあります。
ブリティッシュ・イングリッシュが好きな人、イギリスの文化やポップ・カルチャー関心がある方に、日常的な英会話のフレーズを学びたい人にオススメです。
Goodbye!! Cheers!!