『NHK新感覚☆キーワードで英会話 イメージでわかる単語帳』田中茂範、佐藤芳明、河原清志(日本放送出版協会、2007年3月)
認知意味論の知見を用いて丁寧に書かれた書かれた、イメージで英語を理解する解説書!!
全体は「基本動詞編」「似たもの動詞編」「前置詞編(副詞含む)」「形容詞編」「名詞・文法項目編」「動詞+副詞編」のパートに分かれ、そこにいくつもの単語やフレーズが収録されています。本文のページの構成は、2ページでひとつの単語あるいはフレーズが取り上げられます。左ページでまず単語と単語とイメージのイラストが提示され、下部に全体的・一般的な簡単な解説の後、具体的・詳細な説明がされます。右ページは、4つに分解され、それぞれそのチャプターの単語を用いた表現の文とイラストと説明が4つ掲載されています。
この本は、いわゆる一般的な暗記のための「単語集・単語帳」ではないです。
この本では、例えば、takeをただ「持つ」ではなく、意味のコアとそのイメージを理解することで「take a walk」「take a picture」というように形の無いものを目的語にとったり、「take me to the moon」という表現が可能になるのか、という解説をします。複数のコアが解説されていて、ひとつの単語を多義的に使ったり、多義的な意味を読み取る方法がわかるチャプターもあります。言葉の感覚や対象の説明が丁寧にされている感じがあります。英語の「意味の空間のあり方」が理解できます。
動詞・前置詞だけではなく、同意語の動詞の差異、形容詞、名詞、助動詞、冠詞、動詞+副詞のイディオムについて解説されているのが本書の特徴です。動詞や前置詞のイメージでの理解はイディオムの習得にもメリットがあります。
認知意味論が専門の著者によって書かれているので、主体と対象、コミュニケーションの視点、意味の空間のあり方の力学が、丁寧にわかりやく詳しく、研究の成果を用いてクオリティの高い内容で書かれている点が類書とは異なります。イラストも内容を正確に把握していてわかりやすいです。
ネイティヴ感覚で英語で考えることを目指すための本です。
950円と価格に対するコストパフォーマンスは非常に高いです。
基本的な英語力があって、コミュニケーション能力や理解力や読解力を高めたい人にオススメです。
Goodbye!! See you again!!