『ネイティヴスピーカーの単語力2 動詞トップギア』大西泰斗、Paul Chris McVay(研究社出版、1999年11月)
単語のニオイや肌触りを知ることでネイティヴ・スピーカーの感覚に迫る!!
学校英語・受験英語的に複数の意味をもつ日本語訳を暗記するのではなく、言葉の持つイメージを捉えることでイメージの拡張によって生み出された複数の意味を理解するための教材。動詞の持つイメージを理解することで、ネイティヴ・スピーカーの言葉の感覚を身につけて表現や読解の力をアップさせることを目指します。
全体の構成は、「さあ、はじめよう」「移動をあらわす動詞」「変化をあらわす動詞」「静的状況をあらわす動詞」「知覚をあらわす動詞」「思考・感情をあらわす動詞」「伝達をあらわす動詞」「授受をあらわす動詞」「創造をあらわす動詞」「インパクトをあらわす動詞」の各章に分かれます。各章は、前作の『ネイティヴスピーカーの単語力1 基本動詞』の9つの『PROTOTYPICAL IMAGE』のグループに対応していて、本書はその原型イメージに入ることになる応用的な動詞を深く掘り下げていくことを目的としています。
それぞれの章は、いくつものセクションで分かれます。例えば、「静的状況をあらわす動詞」では、「持」「保」「留」「住」「含」「止」「同」「異」のセクションに分かれています。各セクションでは、少ないもので3個、多いもので10ほどの動詞が収録されています。例えば「同」では、「equal」「agree」「coincide」「correspond」「match」「tally」が紹介されます。それぞれのセクションではまず、そのセクションのベースになるイメージがイラストと文章で説明されます。その後でそれぞれの単語のイメージがイラストと解説、例文で説明されます。1ページに2~3個、単語が収録されています。
解説は簡単ですが的確に内容を捉えていると思います。例文も解説やイラストの内容を反省しています。一般的な動詞からかなりレアな難しい動詞も紹介されていて、特にレアな動詞をどう使い分ければいいか、どう解釈すればいいか、理解できるという点が優れています。
実際のコミュニケーションの場では、言葉が言葉を語るのではなく、言葉が身の回りの世界を語ります。「study」「research」「learn」「investigate」「delve」はすべて辞書的な日本語訳だとすべて「学ぶ」で理解してしまいますが、実際にはそれぞれ違った意味やニュアンスがあり、使用するシチュエーションも違います。その点でイメージで動詞の意味を理解するということは大変効果があります。また、イメージでの言葉の豊かな理解やイメージの理解による同意語の使い分けは表現力を高めてくれます。
この本がイメージがイラストで示される点が優れています。イラストが個別に描かれている点が素晴らしいです。挿絵として書いたわけの分からないイラストではなく、ちゃんと内容を反映しています。
この本は、シリーズ1の『基本動詞』よりも、中級以上の英語を学ぶ全ての人に確実に有用だと思います。読んで絶対に損や時間の無駄にはなりません。
基本的な英語力があって、コミュニケーション能力や理解力や読解力と中心に英語力を一段高めたい人にオススメです。
Goodbye!! See you again!!