『単語博士 いちばん知りたい暮らしの単語』山岸勝榮(小学館)

『単語博士 いちばん知りたい暮らしの単語』山岸勝榮(小学館、2003年2月)
コミュニケーションのための文化的意味が解説されたおもしろい単語帳!!
日常的に使う単語や表現とその簡単な説明が書かれた単語集。筆者によると「「読んで楽しく、引いて身につくミニ和英辞典」的書物」だそうです。
全体は「注意したいことば」「会社の英語」「家庭生活の英語」「体・健康の英語」「社会の英語」の5つのパートに分かれます。
本文のページの構成は、1ページに3~5つほどの項目が収録されています。各項目は左側に日本語の単語や表現が書いてあって、その横にそれに対応する英語の単語か表現が載っています。その下にはその表現の解説や注意点と例文、関連する表現が載せられています。
見出し語800語ほど、派生語やその他の単語情報を含めると1300語を収録しています。
暗記のために「辞書的意味」(denotative meaning)によって書かれた通常の単語帳とは違い、コミュニケーションのための「文化的意味」(connotative meaning)やネイティヴ・スピーカーとのコミュニケーションの手助けとなる基本的な情報が掲載されているのがこの本の特徴です。日本人が間違いやすい表現の注意や「playは「エッチな遊び」をするという意味もある」というような間違ってはいけない表現、ネイティヴ・スピーカーの言葉の感覚、同様の表現での日本語と英語での意味の比較、「ところてん式に=ベルトコンベアー式に」のような同じ意味を持つイディオムやことわざ、和製英語や「ハプニング」などの日本語で用いられている英語と実際の英語の意味の違い、「storeとshop」など英米での意味や表現の違い、など表現や理解に役立つ知識がわかりやすく書かれています。その単語の解説から離れて関連する豆知識のみが書かれている項目もあります。「教育ママ」や「ばんそうこう」「飲み放題」「プレイボーイ」「奴」など一般の単語集では紹介されない言葉も紹介されています。
それぞれの英単語の文化的意味や日本語との違いがポイントを押さえてわかりやすく書いてあって、筆者の英語知識の豊富さと確かさを実感できる素晴らしい単語帳です。ネイティヴと深いレヴェルで意味が通じるコミュニケーションのための英語を学びたい方にオススメです。寝転びながら気軽に面白く読めて、英語に対する理解力を深めてくれる一冊です。
Goodbye!! See you!!