『中学で英語ぎらいになった人のための日本一やさしい英文法』長沢寿夫 明日香出版社

『中学で英語ぎらいになった人のための日本一やさしい英文法』長沢寿夫(明日香出版社、2000年4月)
英文法を基礎の基礎から簡単な作文まで手とり足とり解説!!
全体は文法のルールを学ぶ「基礎編」とその知識を文章を書くことで応用する「応用編」に分かれます。
基礎編は名詞、代名詞、be動詞、形容詞、副詞、前置詞、接続詞の18のLessonで構成され、応用編は日本語と英文の構文の変換、疑問文、否定文、時制、動名詞、疑問詞の13のLessonで構成されます。
ひとつのLessonは各6ページで、1ページ目で文法の語句や例文の提示、2~4ページ目が解説、5ページ目がドリル、6ページがその答えという構成になっています。
カタカナで読み方を表記していますが、独特の表記法で、lとr、aiなどを工夫して表現しています。
受験英語的なルールを覚えて機械的に問題に答えるための英文法ではなく、意味や英語の発想を重視した実践的な表現のための英文法です。英語の基礎だが初心者が覚えきることの難しい、aとtheの違いや単数形と複数形、可算名詞と非可算名詞などの発想の違い、副詞や形容詞とは何か、といったことから表現を想定して平易な言葉でかなり簡潔で必要最小限かつ丁寧に説明します。「日本一やさしい」というのは本当かもしれません。ただし、図を使った説明や例えば現在完了形の詳細な解説や多様な例文、英語の文化的な背景の説明などは一切ありません。だからこそ、本当にやさしいので、挫折せずに難度も読み通して内容を習得できます。
基礎編のドリルは日本語の例文があって穴埋めをするかたちで、全くひねりがなくかなり簡単ですが、基礎を徹底的に学ぶには有効だと思います。
「場所をあらわす前置詞at、in、on」の使い方の解説や「動詞や前置詞はグループにならないが、他の品詞はグループで考える」という記述が個人的には参考になりました。
応用編の日本語と英語の文法構造を解体したり、対等にある要素を比較しながらのかなり丁寧な英作文の解説は、英語での書く・話すと表現が苦手な方や英語から長く離れていた方にとって必読です。
基礎から手取り足取りといった感じで英文法が学べますが、「知識の連関はあいまいだが一応英文法の全体を学んだことがある」ということが前提にされている感じで英文法の復習を想定して記述された参考書です。ですが、中学で英語を全く学ばない方はいないので、すべての英語の基礎をしっかり確認・復習されたい方にオススメです。
Cheers!!