『大人の英語発音講座』英語音声学研究会(NHK出版、2009年9月)
日本人が英語の発音を理解する過程でネックになる発音の構造や注意点を対症療法的に解説!!
第1章「つながる音、聞こえない音」
日本語の「子音+母音」の音節構造とは異なる子音が連続して続くことがあり二重母音が存在する英語の音節構造と、音節がつながることによって発音が変化するアンシェヌマンについて説明します。そして語末や音節の連続による子音の省略について解説します。
第2章「音は化ける」
子音の前後の音の違いによる発音の変化を説明します。
第3章「英語らしさはリズムから」
音程の高低だけではなく強さと長さの要素もある英語のアクセント、文の中での名詞や形容詞など重要な単語のアクセントについて解説します。日本語やフランス語と違いアクセントが均一ではない英語の発音の練習法が紹介されます。
第4章「英語の音、最低限これだけは」
カタカナ発音の問題点の限界と日本語話者には難しい発音のthank-sank、heart-hurtなどの重要な発音の区別について説明します。
第5章「綴り字で発音が変わる」
英語圏の小学校で子供に綴り字の読み方を教える教科であるフォニックスの知見を用いて、スペルの読み方を合理的・原理的に説明します。
第6章「発音記号が分かれば鬼に金棒」
発音記号を読むことのメリットや発音記号を読む際の注意点について説明します。
第7章「ところ変われば音変わる」
アメリカの方言、ブリティッシュ・イングリッシュ、オーストラリア英語とそれらの方言が発生した歴史的なバックグラウンドについて説明します。
第8章「何を、どうやって勉強すればいいのか」
発音を習得する目的別の到達点や、英語を勉強する方針や方法を提案します。
この本は、”発音の練習”を行うための本ではなく、実践的な発音の構造や注意点を説明する参考書です。
発音の原理や個別の発音記号の発音の仕方を解説するのではなく、日本人が英語の発音をしたりネイティブの英語を聞き取ったり会話を中心に英語を学ぶ上での発音の理解でネックになる部分を対症療法的に解説してくれます。
カタカナ発音の問題点を指摘しておきながら「聞こえてきたとおりにカタカナ発音に書き出す」ことを提案していたり、自然な理解ではない感じがある部分も多少あります。
ある程度、発音の勉強をしてきて、さらに発音の理解を深めたい方の副読本としてオススメです。
Cheers!!