世界一わかりやすい英文法の授業 関正生 (中経出版、2008)
軽妙な語り口で、英語・英文法の理解が深めさせてくれる一冊。
予備校人気講師の授業内容を再現。
Part1では、時制、仮定法、不定詞・動名詞など、高校~大学受験では、あやふやだった内容をわかやすく明晰に説明してくれます。例えば、「中断・再開できない動詞は進行形にできない。」といった進行形にできる動詞の区別や「助動詞の過去形をみたら仮定法を予測する」といった説明です。「mustは主観的な義務、have toは客観的な義務」という受験英語の段階ではあまり重要でじゃないけど、本当の英語の表現を理解するのに必要な情報を書かれています。
Part2では、学校の英語・受験英語では丸暗記させられていた語法や熟語を英語の発想やバックグラウンドを踏まえて解説します。「第1文型はいる・動く」「第2文型はCだ・Cになる」といった文型の特徴の説明や、「感情動詞は神様が感情を動かすと考えるので「~させる」」という目からウロコの説明もあります。
Part3では、学校の英語では、曖昧だったり丸暗記させられた品詞の使い方や関係詞の機能を簡潔に明晰に説明します。「theは共通認識」「具体的な形がイメージできないものは不可算名詞」といった説明や、「頻度の副詞はnotの位置と同じ」という大変有用な説明もあります。
英文法の基礎を学ぶためや英文法の全体の復習ではなく、英文法をある程度かかなり理解していてさらに英文法の理解を深めたり実践的な知識を身につけたい人のための本です。
例えば「他動詞・自動詞の区別」「他動詞のあとにくるのは名詞節」といった説明はありますが、「他動詞・自動詞とは何か」という説明はありません。「不定詞の意味」について書いてありますが、「不定詞とは何か?」「不定詞の使い方」について書いていません。英語から長くはなれていて、文法全体を復習したいという方には向いていないと思います。
「世界一わかりやすい~」というタイトルになっていますが、世界一わかりやすくはないと思います。少し高度な内容です。少し高度な内容がわかりやすく書かれていると云ってもいいかもしれません。
英文法の基礎を十分理解していて、さらに実践的な理解を深めたいという方にオススメしたい一冊です。
それでは。
Goodbye! See you again!!
世界一わかりやすい英文法の授業